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金属バットを捨てる高校球児 [能力開発]

 

テニスプレイヤーの錦織圭選手が、テニスの世界ランキング30位と日本男子では史上最高位になりました。

今までの最高ランクは、今年(2011年)5月に錦織選手自身が記録した46位です。

これは、あの松岡修三さんに並ぶ偉大な記録でしたが、今回大きく順位をあげました。

まだ、21歳ですので、ぜひ一桁にランクインしてもらたいですね。



世界トップクラスの選手の試合を見ていると、スポーツという域を超えて格闘技のように感じてしまいます。

こん身の力を込めてラケットを強く振りぬくさまは、鬼気迫るものがあります。

素人からすると、力強くラケットを振ればスピードボールが打てそうな気がします。

しかし、テニスのラケットはスイートスポットで打たないと、ボールは力強く飛んでくれません。

ボールがフェイスにずれてあたると、腕に大きな負担がかかります。

球に伝わるべき力が、分散されてしまうからです。



かつて、「デカラケ」という大きめのテニスラケットが流行ったことがありました。

サイズそのものも大きいのですが、”スイートスポット”を広くとり、ボールを打ち返しやすくしたのです。

スポーツがうまく出来れば、やり続ける人も増え、関連用品や施設の需要を増やすことが可能です。



ゴルフクラブなどは、技術力不足を道具でカバーしようという商品が次々と開発されている感じがします。

力がなく、多少芯からずれたスイングでも、ある程度飛んでいく”魔法のクラブ”への期待が大きいのでしょう。

道具によって楽しむことができれば、スポーツ振興の可能性が広がっていきます。

アマチュアの人なら、少しくらいは道具に”依存”してもいいでしょうが、プロの世界は少し違います。

今年のプロ野球を見ていて、そのことを強く思いました。



2011年からプロ野球に”飛ばないボール”の統一球が導入されたのは、みなさんもご存知でしょう。

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で使用される公式球と日本のプロ野球で使われていたものの差異が大きく、国際試合で不利にならないよう、ボールを”国際化”したのです。

統一球が導入されたことにより、野球が大きく変わったのですが、その影響の大きさは打撃成績を見れば一目瞭然です。


昨年(2010)、セ・リーグのホームラン王は巨人のラミレス選手で49本、2位ブラゼル選手(阪神)47本、阿部選手(巨人)44本でした。

今年(2011年10月18日現在)のトップは、ヤクルトのバレンティン選手の31本、2位はラミレス選手(巨人)と畠山選手(ヤクルト)の23本です。

ブラゼル選手は15本、阿部選手は19本に激減しています。

 

パ・リーグの昨年(2010年)の本塁打王に輝いたのは、オリックスのT-岡田選手で33本の成績でした。2位は楽天の山崎選手28本、3位はダイエーの多村選手27本でした。

今年(2011年10月18日現在)は西武の中村選手が48本のホームランを放ち、2位のソフトバンク松田選手の25本を大きく引き離しています。3位は今年成長した日本ハムの中田選手で18本です。

中村選手だけが突出した記録を残したわけですが、決してパワーでホームランを量産したわけではありません。その証拠にパワーで優る外国人選手のホームラン数が大幅に減っています。



おそらく、導入された統一球は反発力が低いため、バットの”真芯”でボールをとらえ、タイミングよく振り抜いてやらないと、打球に勢いをつけることができないのです。

ホームランだけでなく、ヒットの数も減っていますので、これから選手は狭いスイートスポットで打球をとらえる訓練をしないことには、成績は残せなくなります。

努力をしないことには結果が出せませんから、プロ野球選手のより高いレベルのプレーが楽しめそうです。

こらからプロ野球を目指す高校球児は、今から木製バットに持ち替えた方がいいでしょう。”飛ぶ球”と”飛ばせる金属バット”に慣れきっていると、プロに入ってからギャップに苦しむことになります。




何事においても、普段から”真芯”でとらえるトレーニングをしている人にとっては、スイートスポットのエリアが多少狭くなっても、影響はありません。

それどころか、”芯”をとらえられない人たちが勝手に脱落してしまい、相対的なポジションは高くなります。

世の中の環境がどのように変わろうとも、”真芯”がなくなることはありません。

”道具”にたより過ぎていると、”芯”は打てても”真芯”が打てなくなってしまいます。



誰にでも打てる広いスイートスポットへの、過度な期待はできない時代なのです。


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