一部が全部
電子辞書の電源が入らず使えなくなったので、取扱い説明書を初めて熟読してみました。
症状の対処法を何パターンかやってみたのですが、機械はうんともすんともいわず、仕方なく大手量販店の修理受付窓口へ持ち込むことにしました。
修理依頼用紙に必要事項を記入し、故障内容を説明して係の方に手渡すと、修理受付けの控えを渡してくれ、修理実施の流れを説明してくれました。
説明によると、預けた修理品は、伝票(修理依頼)とともにメーカーのサービス部門へ送られます。そこで、修理内容を確認したのちに修理代金の見積もりを出してくれるそうなのです。
1週間以内に、電話で修理代の連絡をもらい、修理するかどうかの意思表示をする段取りになっていました。
すでに1年間の保証期間は過ぎていたので、有償になることは覚悟していました。
そして10日近く経ったころ、量販店の方から連絡がありました。
内容は修理が完了し戻ってきたので、取りに来て欲しいとのことでした。
店頭に行き処置内容を聞くと、「電子基板の交換」で、修理は無償になっているとの説明でした。
修理伝票を確認すると、お詫びの文面が記載されており、ある程度頻出しているサービスクレームのようです。
「基板交換」とひと口に言っても、真因はなかなかわかりにくいものです。
基板には多数の電子部品がはんだ付けされていて、どの部品が悪いのかを特定していく必要があるからです。
電子回路制御の流れを、1から順番に追っかけていき、どの段階でエラーになるのか確認がいります。
記憶装置(メモリ)に書き込まれたプログラムにバグがある可能性も否定できません。
部品単品の不良でなく、組立時の不具合による可能性もあります。
小さな基板の中には、故障の原因となりそうなものが無数に詰め込まれています。
どこで不具合が発生するか、予測もつかないときもあります。
ほんの小さなミスでも、それが全体の機能をマヒさせることもあり得るのです。
間違いにすぐ気づくような、しくみが出来ていればいいですが、そうでないと原因解明に膨大な時間が割かれることになってしまいます。
組織運営も似たようなところがあり、一人ひとりの仕事の組み合わせによって、全体の出来栄えが左右されてしまいます。
たった一つの要因で、組織のパフォーマンスを低下させるほど愚かなことはありません。
対処方法はシンプルで、まずは自分の仕事に誇りと責任を持ち、組織内で互いの仕事に関心を持つようにすればいいのです。
そうすれば、そんな危惧も消えてなくなってしまいます。
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