エアコン設定28℃はどのこ温度だ? [人材育成]
今から800年近くも前の14世紀に、夏を考えた家づくりを推奨していた人がいます。
「徒然草」を書いたと言われている吉田兼好です。
徒然草の第55段にこう記されています。
「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。 」
「家を建てるときは、夏の暑さ対策をまず考えとかなアカン。冬はどこでも住めるもんや。暑い欠陥住宅には住めるもんやないからな」
関西弁訳にするとこんなとこでしょうか。
何百年もの昔から、夏の暑さをしのぐことは難しかったのでしょうね。
寒さは服を重ねるなり、暖をとるなり、文明の利器がなくても対応可能です。
氷点下20℃や30℃の極寒の地でも人は生活をしていますが、
気温が35℃あたりを超えてくると熱中症にかかったり、
不幸にも命を落される方もでてきます。
寒さよりも暑さの方が人の体力を消耗させることは、私たちは経験的に知っています。
夏を快適に過ごすためのエアコンの設置台数は、
今や一家に一台から一部屋一台の時代にシフトしています。
住宅だけでなく、カーエアコンも標準で装着されるのがあたり前になっています。
オフィスに行けば、エアコンで室温が調整されています。
もし、エアコンがなければ、生産性が落ちることは間違いないでしょう。
この夏は電力不足に対応して、自主的に省エネ計画を策定して実践している企業や組織もめずらしくありません。
ひょっとすると、6月いっぱいはエアコンなしで、7月から冷房スタートというところもあるかもしれません。
期間で決めごとをしておけば、一番楽ができます。
7月、8月の月曜日から金曜日。時間は8:30から17:30.設定温度は28℃。
あとは当番を決めて、機械的に運用すればいいだけになります。
しかし、こんなときこそ、頭で考えるトレーニングを実践しましょう。
まず、期間や時間、設定温度を固定することはやめた方がいいでしょう。
オフィス内のあらゆる場所で、温度を確認することから始める必要があります。
リモコンの設定温度のベースとなる室温は、リモコン周辺で測定している場合が多いものです。
オフィスの大きさや形状、パソコンや人の密集度合いによっても実際の気温は異なってきます。
実作業をしている各場所の状況を正しく把握し、環境がよくなければ対応策を考え、実施すべきです。
ある人は暑いと感じているのに、吹き出しの風が直接あたるエリアの人は、寒いと思っている可能性もあります。
吹き出し方向を段ボールなどで、少し流れを変えるだけでも改善できたりします。
この夏、毎日室温と湿度をオフィスのエリアごとにチェックして、快適度合いの評価を記録しておきます。
そうしておけば、ムダが少なく、生産性の高いオフィス環境も実現可能です。
もっと簡単にオフィスの全員が席を替えて、一日そこで仕事をしてみればいいのです。
自分の席との環境の違いを体感できますし、「全体最適」を考えるきっかけにもなります。
「相手の立場になって考える」という、ビジネスの基本を学びとる絶好の機会です。
省エネにプラスして、人材育成にも活用してみましょう。
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